
人事担当2年目社員。勤怠管理のことがわからず、悪戦苦闘の日々を送っている。

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勤怠コム子さん

勤怠博士
厚生労働省の調査によると、全事業所のうち、12.3%の事業所が派遣労働者を雇用しています。産業別では、製造業が23.6%と最も多く、次いで情報通信業、金融・保険業で多くの派遣労働者が働いています。(令和4年10月1日現在)
派遣社員は、正社員と同様に労働基準法や労働安全衛生法などの法令に従う必要があります。労働者の労働時間の把握は、企業の義務です。それは派遣労働者も例外ではありません。特に、勤務時間の管理や休憩時間の確保、残業時間の把握といった基本的な勤怠管理を怠ると、企業側が法令違反に問われる可能性があります。
派遣社員の勤怠管理は、雇用契約を結ぶ「派遣元企業」と実際の業務指示を行う「派遣先企業」の2社が関わるため、正社員の勤怠管理よりも複雑です。どちらの企業が、どこを管理するのか。線引を明確にしておくことが、派遣社員の勤怠管理において重要です。
では、派遣社員の勤怠管理において、「派遣元企業」と「派遣先企業」はどのように線引をして管理するのでしょうか?
派遣元企業は派遣社員の雇用者であるため、派遣社員の労働条件や福利厚生の管理義務を負います。具体的には、以下の項目が該当します。
<賃金>
雇用契約に基づき、派遣元企業から派遣社員に対して賃金を支払う必要があります。時間外労働(残業)や、休日労働、深夜残業を行った場合は、派遣元企業が割増賃金を支払う必要があります。
<有給>
雇用日から6ヶ月間継続勤務し、かつ全労働日の8割以上出勤している場合には、派遣社員に年次有給休暇が付与されます。
また、2019年4月に施行された働き方改革関連法により、10日以上の年次有給休暇が発生した社員には年5日の有給取得が義務付けられています。これは派遣社員にも適用されるため、派遣元企業は、有給休暇の発生日・付与日数・残日数を管理しなければなりません。
<労災保険・健康診断>
派遣社員が、業務中や通勤途中にケガを負った際には、労災保険が適用されることがあります。そのような場合に備え、直接の雇用元である派遣元会社が、派遣社員のため労災保険に加入します。
派遣社員の健康管理は、派遣元企業が行います。安全衛生法に基づき、派遣社員が健康診断を受けるよう調整する必要があります。
派遣社員の実際の勤務状況や勤務指示の管理は、派遣先企業が行います。具体的には、以下の項目が該当します。
<労働時間の把握>
始業時間や退勤時間、休憩時間の記録といった勤怠管理は、派遣先企業で行います。時間外労働が発生した場合も適切に管理し、長時間労働の改善も派遣先企業の責任として管理します。
ただし、法定労働時間を超えて労働者に時間外労働(残業)をさせる場合には、「36協定の締結」および「所轄労働基準監督署長への届出」が必要です。これは、派遣元企業と派遣社員との間で締結します。そのため、派遣先企業が派遣社員に時間外労働を行わせる場合は、派遣元企業が36協定を結んでいる必要があります。派遣社員が実際に勤務するのは派遣先企業のため、派遣先企業は36協定の締結内容を把握し、それを遵守した中で社員の労働時間を管理する必要があります。
参考)36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針 | 厚生労働省
参考)派遣労働者の労働条件・安全衛生の確保のために | 厚生労働省
<休憩時間の把握>
労働時間の管理と合わせて、休憩時間を把握し、適切に休憩時間を取得させることも派遣先企業の管理範囲です。正社員と同じく、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を取得させなければなりません。
<安全衛生面・ハラスメントの管理>
労働環境の安全衛生管理は、派遣先が責任を負います。契約にない危険な作業や健康を損なう作業が行われていないか、作業環境の整備と管理を行います。また、セクハラやパワハラといったハラスメントを防止することも、派遣先企業が行うべき事項です。
実際に業務を行う環境での安全・健康管理は派遣先企業の責任です。また、注意点として、「一般健康診断」は派遣元企業で実施しますが、派遣先で「特殊健康診断」が必要な場合は、派遣先企業が実施します。
では、派遣先企業が派遣社員の勤怠管理をするうえで注意することを2点ご紹介します。
勤怠管理の際に、タイムカードを使用して派遣社員の労働時間を記録している企業も多いと思います。このタイムカードの管理に関して、5年間のタイムカードの保管が義務付けられています。これは全ての社員に適用されており、派遣社員においては派遣元・派遣先ともに保管義務があります。保管期間内(派遣社員の契約満了後5年間)に、情報開示請求に応じなかった場合は違法となる場合があるため、管理には注意が必要です。
派遣社員が日々働くのは派遣先企業です。そのため、派遣元企業が勤務実態を正確に記録し、派遣元企業へ通知を行わなければ、派遣元企業から派遣社員への賃金支払に影響が出る恐れがあります。勤務実態と勤怠記録に齟齬があった場合、正確な賃金を割り出すことができません。
派遣元企業と派遣先企業との間での信用問題にも関わるため、派遣先企業は責任を持って勤怠管理を行う必要があります。
派遣社員の勤怠管理は派遣先企業が行っているため、派遣元企業は、勤務実態を把握しにくいことが課題です。そのため、派遣社員の出勤表に虚偽や誤り、時間外労働の申請漏れがないかなどの確認は派遣先任せになってしまいます。
派遣社員は、派遣先企業で出退勤を行うため、遅刻や欠勤がないか、残業による長時間労働が行われていないかなど、リアルタイムでの労働時間の把握が困難です。
これらのように、派遣先企業が派遣社員の勤怠管理を適切に行っているかを確認するため、派遣先企業・派遣元企業双方のコミュニケーションが重要です。派遣契約時に、勤怠管理方法を確認すると良いでしょう。
派遣社員は、正社員と同様に適切な勤怠管理が義務付けられています。さらに、派遣元・派遣先企業の2社が関わるため、自社内で完結できない派遣社員の勤怠管理は、より管理が難しいでしょう。
そんな時は、WEB勤怠管理システムがおすすめです。
勤怠管理システムを活用することで、勤務時間の集計をリアルタイムで行うことができます。そのため、給与計算のための労働時間集計がすぐに行える、長時間労働が発生していた場合にすぐに把握できるなど、メリットが多いです。
では、勤怠管理システムで具体的に、どのようなことができるのでしょうか?勤怠管理システムの便利な機能の一例をご紹介します。
スマホやパソコン、ICカード等を用いることで、派遣先への出勤時でも簡単に打刻ができます。WEB勤怠管理システムなら、システム上で全従業員のデータを集計・管理が可能です。
出勤時間・退勤時間だけでなく、法定内残業、法定外残業、深夜残業などの各種残業時間を含めた勤務時間を自動で集計可能です。派遣社員の長時間残業が行われていないかなど、社員ごとの勤務時間の把握にも便利です。
シフト制での勤務の場合、派遣社員ごとのシフト管理も勤怠管理システムから設定可能です。出退勤時間が固定になっていない場合でも、労働時間の集計が容易になり、給与への反映もスピード感を持って行えます。
有給取得・残業等の申請や承認が可能です。申請フローが明確になっていれば、派遣先・派遣元企業ともに、対応と情報共有が容易になります。
「残業時間が規定を超えた」「有給日数の取得が不足している」など、勤務状況に応じて36協定に違反しそうな場合に通知を受け取ることができます。
派遣社員の勤怠管理の注意点と、便利な方法を理解したコム子さん。正社員に加え派遣社員も含めた全労働時間を正確かつ一括で把握するため、勤怠管理システムの導入を考え始めたようです。

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