
人事担当2年目社員。勤怠管理のことがわからず、悪戦苦闘の日々を送っている。

人事・勤怠管理のプロ。
どんな疑問もわかりやすく解説してくれる頼れる存在。

勤怠コム子さん

勤怠博士
「管理職は残業代が発生しない」「管理職は就業時間にとらわれず働いている」といった認識の方は多いのではないでしょうか?実際のところ、「管理監督者」には残業代を支払う必要がなく、就業時間の規定もありません。しかし、2019年4月に働き方改革による法改正が行われました。その一環として労働時間法制が見直され、管理監督者を含む労働者の労働時間の把握が義務化されました(労働安全衛生法第六十六条の八の三)。
では、「管理監督者」の勤怠管理においてどのような手当が必要で、そのために何を把握しなければならないのでしょうか。管理監督者の勤怠管理の注意点を整理して解説します。
参考)e-Gov 法令検索「労働安全衛生法」
そもそも、「管理監督者」と「管理職」は必ずしも一致するわけではありません。
「管理職」とは、組織や企業において、その組織の一部門を統括する責任を負います。一般的には「部長」「課長」「係長」などの役職を持ちます。
一方で「管理監督者」とは、労働条件の決定や、その他労務管理について経営者と一体的な立場にある人のことです。管理監督者かどうかは、役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務実態等によって判断します。
管理監督者は、厚生労働省の基準により定義づけられています。その企業内で管理職と呼ばれていても、この定義を満たしていない人は管理監督者ではありません。そのため、他の従業員と同じく残業代や休日出勤手当を支払う必要があります。
管理監督者の定義は、以下の4つです。
<管理監督者の4つの定義>
・重要な職務内容を有していること
・経営者と一体的な責任と権限を有していること
・勤務時間の制限を受けていないこと
・職務相応の待遇を受けていること
管理監督者は、他の従業員と異なり勤務時間の制限を受けません。
経営者と一体的な立場にあり、労働時間の規制の枠を超えて活動せざるを得ないほど重要な職務内容を有している必要があります。例えば、企業の運営に関わる意思決定や、従業員の労働条件に関する権限を持っていることなどです。
経営方針への 会社や部門の経営方針の決定に関与する立場にあり、意思決定に影響を与える役割を持っている必要があります。役職名を持っているだけでなく、自らの裁量で権限を行使できるほど重要な責任のある立場の人が管理監督者に該当します。
管理監督者は、時を選ばずに業務の判断や対応が求められる立場です。他の従業員と異なり、自身の勤務時間を管理する権限を持ち、厳密な勤務時間の拘束を受けずに働く人を指します。
重要な責任と権限を与えられている管理責任者は、職務に見合った給与や手当などの待遇を受けている必要があります。
以上、4つの定義を満たす人が、管理監督者に該当します。
このように、管理監督者かどうかは役職ではなく実際の働き方で決まります。一般的に使われる「管理職」が「管理監督者」とは限らないため注意が必要です。
参考)厚生労働省「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために
では、管理監督者の勤怠管理は、他の従業員とどう違うのでしょうか?勤怠管理が必要なものと、そうでないものそれぞれの具体的な項目をあげて解説します。
<労働時間>
労働時間の規制はないものの、管理監督者の長時間労働を防ぐため、他の従業員と同様に労働時間を把握・記録することが義務付けられました。残業時間の規定や残業代の支給はありませんが、記録をすることで働き過ぎを防ぎ、健康を害するほど労働時間が多い場合は早急な対応が求められます。
<深夜手当>
残業代は発生しませんが、22時〜翌5時に勤務を行った場合は深夜割増賃金を支給する必要があります。
深夜手当を計算する際、管理監督者が深夜割増率は0.25倍であるのに対し、他の従業員は時間外残業手当(1.25倍)と深夜手当(0.25倍)を合わせた1.5倍で計算する必要があるため、注意が必要です。
<有給休暇>
有給休暇については管理監督者の特例はありません。他の従業員と同様に年5日の有給休暇取得が義務化されており、法律に遵守した休暇付与や取得の管理を行う必要があります。
<残業>
管理監督者には労働時間の規定が適用されません。そのため、1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて働いた場合も残業代が支給されません。36協定も対象外です。
<休憩時間>
休憩を取得しなくても、問題がありません。一方で他の従業員は、労働時間が6時間以上8時間以下の場合は最低45分、8時間を超える場合は最低1時間の休憩を与えなければならないと定められています。
<休日>
休日についても制限がないため、休日出勤手当は支給されません。他の従業員は、少なくとも毎週1日の休日または4週間に4日以上の休日を与えなければなりません。
<遅刻・早退>
管理監督者は自身の勤務時間を管理する権限を持っているため、遅刻・早退の管理は行いません。
とはいえ、業務に支障をきたすほどの行動が見受けられる場合は、管理監督者で定義付けられているような「重要な職務内容」を全うできているか疑問を持たれますし、部下のモチベーションにも影響を与えかねません。あまりにも遅刻・早退が多い場合は、管理監督者としての働きができているのか一考する必要があるかもしれません。
参考)厚生労働省 労働時間・休日
参考)厚生労働省 「働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて」
参考)働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)
管理監督者も、他の従業員と同じく勤怠管理が義務化されました。しかし、前述した通り管理監督者には勤怠管理をする必要がない項目も存在します。「他の従業員は36協定を含む勤怠管理を行い、管理監督者は36協定は含まずに深夜勤務と年次有給管理を行う」といった従業員ごとの異なる管理も、勤怠管理システムを使えば設定を行うことで簡単に集計できます。
管理監督者の勤怠管理にも使える、勤怠管理システムの便利な機能の一例をご紹介します。
タイムカードやエクセルといったオフラインで使用する出勤簿を使用していると、データの集計や管理に時間と手間がかかります。WEB勤怠管理システムは、システム上で従業員ごとのデータを集計・管理が可能です。また、システムによっては、スマホやPC、ICカード等を使い、テレワークや営業先への外出時でも簡単に打刻が可能です。
法定内残業、法定外残業、深夜残業などの各種残業時間を含む、従業員ごとの勤務時間を自動集計できます。部門ごとやグループを跨いだ平均値の集計時間も確認できるため、平均勤務時間の把握にも便利です。
管理監督者も、他の従業員と同様に年5日の有給休暇取得が義務付けられています。従業員が有給をきちんと取得できているかを確認するのは手間がかかりますが、勤怠管理システムならあと何日取得が必要なのかシステム上で管理・確認できます。
勤務時間の内訳をリアルタイムで確認することができ、労働時間が可視化されるため管理監督者の長時間労働を防ぎます。また、深夜労働も把握できるため、深夜手当の支給にも活用できます。
管理監督者は36協定の対象外ですが、他の従業員も同じシステムで管理する中で、労働時間や残業時間を把握する必要があります。「残業時間が規定を超えた」「有給日数の取得が不足している」など勤務状況に応じて、36協定に違反しそうな場合に通知を受け取ることができます。
管理監督者は、その定義どおり重要な職務を担っており、多忙を極めていることが多いです。そのため、勤怠管理システムを選ぶ際には、次のような項目を確認してみましょう。
・多忙な中でも打刻しやすい方法があるか
・打刻忘れを防げるか
また、管理監督者と他の従業員で異なる項目で勤怠集計を行う必要があるため、人事担当者の負担を最小限にできるか、という点でも選定すると良いでしょう。
・従業員の雇用形態ごとの集計設定が可能か
・集計ミスが起きにくいか
・使いやすい画面か
・勤怠データ集計や、給与計算への反映が容易か
などを確認しましょう。
勤怠システムの中には、フレックスタイム制や裁量労働制に対応しているもの、36協定に則ったアラート機能があるものなど、便利な機能を持つシステムもあります。従業員の雇用形態ごとの設定だけでなく、会社の就業規則に合った運用も行えます。
従業員の働き方や社内体制に合った勤怠管理システムを見つけることが、管理監督者をはじめとした従業員、さらには人事担当者の働きやすさに繋がります。会社にマッチした勤怠管理システムをぜひ探してみてください。
管理責任者を含む従業員の勤怠管理が義務化されたことを受けて、管理監督者の勤怠管理集計の違いを理解したコム子さん。手動での集計では時間と手間がかかるため、勤怠管理システムの導入も考え始めたようです。

勤怠博士

勤怠コム子さん

勤怠博士

勤怠コム子さん
勤怠管理のお悩みを、ALL IN CUBEが解決します!